小学校に入る前の2年間、わたしと由佳ちゃんは4回の誕生日会をし、年に数回泊まりあって遊んだ。押入れごっこが好きで、押入れの上下を部屋にして小さな主人になったわたしたちは、新しいご近所付き合いをやったり、押入れという暗闇になるその中にきっとあってほしいトンネルや人間以外の者たちの気配を期待して楽しかった。
由佳ちゃんのお母さんは、ゴウヒロミの大ファンで、いつも由佳ちゃんちの車にはゴウヒロミがいた。
保育園の年長組みになると秋にはお楽しみ会が行われて、わたしたちは「砂漠の民」を踊った。緑のサテン地のパンタロンとピンクのサテン地のパンタロンにターバンを頭に巻いたわたしと由佳ちゃん。
踊ったときの気持ちはもう忘れたけれど、アルバムで待っている写真はほんとうに一緒に踊ったんだっていう事実を、いつまでも忘れさせない。
会いたいな、もうどこかで何かに生まれ変わっているのかな。