きっと、すべての始まりは、一人の人間の祈りだったんだと。
宗教も、思想も、社会のシステムも。
それらは、自分のかわりに死んでいった友達のために。
それらは、家族を守るという本能的愛のために。
そして、この世界を抱きしめるために。
それは、ほんとうの気持ちだったから、「ほんとう」はとても透明なかたまりとなって、世界を持ってきた。
どんな祈りも叶うようにと、長い長い時間をかけた祈りの中で、その夢は、水晶となって現われ、この世界に存在した。
どんな思想も、すべては水晶の夢なんじゃないかって。
たくさんの宗教の教えも、これまたたくさんの人間の思想も、みんなそれぞれに「ほんとう」だから、ある人にとっては悪であることもあるひとにとっては良いおこないで。
だから、時々そのことを思うと、愛しくなる、この世界の出来事が。
だって、敵対する世界ができたとき、どちらもきっとお互いの「ほんとう」の部分はわからないであろうから。
そして、どうすればよいかも。
「ほんとう」のところでは。