久しぶりに朝の時間がとれたから、次の予定11時までの間、早めにうちを出て、表参道へ向かった。
朝から気持ちのよいお天気だったから、とっても食欲があって、それなら焼きたての美味しいパンでも食べようかなって座ったのは、アンデルセンの地下一階のカフェ。
バターたっぷりのデニッシュとカフェラテの朝。
マクロビ実践していたから、このメニューは豪華で愛すべきオーダー。ボロボロとプレートニデニッシュのかけらを落としながら、食べていた。
ほんの30分だったけれど、満足して階段を上がると外は雨。向かう場所は原宿だったからまあ、カサ買わなくてもいいかな、またカサがふえるのもイヤだし、っていうことで、降りしきってはないと決めてカサなしのまま、交差点で信号待ちをしていた。
カサなし組もぱらぱらいてまあいっか、なんて思っていると、込み合っている信号待ち集団の中に女の人が入ってきた。なんかわたしのパーソナルエリアに近づいてくる、なんだろう、ちかいなあ、この人、ってちょっと不愉快に感じはじめていたら、「あなた、はいこれ」ってカサを渡されて。「あなた必要でしょ」「えっ、あ」「わたし近いから」ってそのまま犬連れて渋谷方面246をとーって行った。「あっ ありがとうございます!」
カサなしグループは私のほかにもいた中で、カサを与えられたわたし。強くカサを欲していたワケじゃない。ただ私はカサがなくて、少し困っていた。
いいえ、ほんとは雨はすごく降りしきっていたのかもしれなくて、雨にぬれているわたしはあまりにもかわいそうな私だったかもしれなくて、どんな理由かなんてやっぱりちっともわからないけれど。
でも、そんなことわからないんだと思うの。どんなふうに私が見えたかなんて自分では見えませんもの。それに、きっと女の人、ほんとはあちらのかっこいい男の人に渡したかったんのになんであの子にあげたんだろう、ところで、あの子「ありがとう」っていったっけ?って二人ともわからないままにただ、そういうことが起きたかもしれない。
それはきっと、いやアマゾンで星5つの引き寄せの法則が働いたんじゃないの?って言う結論もあったりして、確かに読んでみたけれど、それがぴったりなこの日だったんだろうけど。
すべての出来事に、理由を求めると、きっと世界はつまらいものになってしまうんじゃないかって。だから、この日は、奇跡があったんだよーって、そう名づけたほうがリアリティがある。